生きるか死ぬか

私には仲間がいる。
正確には「いた」だろうか。
大きなイベントが終わり、お互いにもう他愛のない話だけを口にしていた帰り道、男同士ならではの「今好きな漫画ある?」という話題になった。

漫画は結構読んできた気がするが、彼が出してきた漫画は全く読んだことのないものだった。
もちろん有名な漫画だから、雑誌の表紙で見たことはあったのだが、おもしろそうとは思えなかったのだ。

その漫画をつい先日まで漫画喫茶に何度も通い読破した。
率直に言えば、最高におもしろかった。
キーワードは「生きる」「仲間」「戦術」などと言ったところだろうか。

中でも、「戦術」の描写がなかなか楽しい。
史実に充実な戦争風景というわけではないが、単なる友情や努力だけで勝ち負けが決まる漫画ではないから、どう敵と戦い、「どう敵と戦わないか」という術が必要になってくる。

敵から逃げる決意、戦って死ぬ方がいいと思える覚悟を戦術面と登場人物の想いから表現する。
これらの描写がうまいことが、この漫画が人気であることの理由の1つだろう。

また、1つ私の心に残ったシーンがある。
自分では戦わず、戦略を練り指示を出す役目の人間がいて、その人物は大勢の人間を送り出すとき、どのくらい犠牲が出るかを計算して数勘定をしている。

人間を数として見るのだ。
今すぐ死ぬかもしれない人間を。
そこへの躊躇があり、それでもやらなければいけないという主人公達がいる一方で、敵もまた同様に苦悩し、人を愛し、殺し合っているのだ。
そういう時代が少し前まであったということが今では信じられない。

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