マンガから学ぶ仲間というもの
もし自分の子どもに「なかまってなあに」と訊かれたら、いま人気の海賊漫画を例に出して教えようかと思っていた。
「友情・努力・勝利」を掲げる少年漫画雑誌の中でとりわけ友情や仲間、もっとキーワードを挙げれば信頼や約束というテーマをふんだんに盛り込んだ、21世紀で最も人気な漫画の一つとして歴史に残る大作である。
あんな風に一緒に遊んで戦って、時にはケンカをする、そういう人達を仲間って言うんだよ、そう教えればすんなり理解してくれそうだ。
そういう意味でも漫画が子ども達に与える影響は大きいし、当然その方が人気が出るからということもあるだろうが、雑誌が「友情・努力・勝利」というテーマを掲げていることは素晴らしいことだと思う。
自分も子どもの頃、大好きだった漫画の主人公になったつもりで近所の友達と冒険に出かけたなあと懐かしく思った。
大人になってからはなかなかできないああいった経験は本当に大切で、かけがえのない思い出になるだろう。
今となっては信じられないが、本気で相手と対峙していた。
心から信用し、好きにもなったし、自分よりつよい相手には気を遣った。
その分、裏切りも喧嘩も、またその後の仲直りも沢山あった。
当時は嫌だったことも、許せなかったことも含めて、すべていい思い出であると断言できる。
こんな、子どもにどうやって教育しようかみたいなことを、子どももいなければ、結婚もしていない、ましてや彼女もいない私が空想していたが、必要ないだろう。
だって、きっと子ども達の方がその辺りにはすぐ詳しくなって、「友達」や「仲間」の違いをきちんと説明できるくらいに頼もしく成長するのだから。