生存戦略

動物たちの行っている生存戦略を少し思い浮かべてみよう。
たとえば海にいる魚、サンマやイワシなどのサイズは大きな魚にとっては食料にあたる。
泳ぐスピードの速い大きな魚から1匹で逃げ切ることは不可能である。
だから集団で行動する。

彼らの統率力は我々の理解を超える。
襲われたとあれば、数千匹がほぼ同時に向きを変える。
人間の目からすれば、同時に動いているようにしか見えない。
また彼らは、集団で存在することで、1匹の大きな魚として自分たちを見せているという。
誰に教えられたわけでもなく、きっと勝手にそういうように動けるのだろう。
私たち人間もそういった部分があるのだろうが、「教育」されてきたことを実践しているという考えだから、それが明確に存在しない彼らの行動には驚かされる。
人間で言えば、かねてから不思議に思うことがある。
汗を出すのは体内の塩分調整と気化熱での体温調整のためだと言う。
感覚的に、塩分調整は理解できる。
身体から不必要なものを出す、という行為は単純明快だ。
自然と身体がそれを行っていても不思議に思わない。
しかし、気化熱を利用して、皮膚の温度を下げるという行為において、なぜ気化熱というものを理解しているのかという疑問が沸く。
水分を皮膚の表面に出すと、蒸発が始まる。
蒸発する際にはエネルギーが必要で、そのエネルギーを周囲に求めるから、接している皮膚は温度を奪われる。
皮膚が冷え、ひいては身体の内部の温度が調整されることになる。
少し複雑過ぎるような気がするし、気化熱を「理解」していると考えることがどうしてもできない。
きっとここは別の考え方が必要なのだろう。

«
»