伝える

メモというのは基本的に字で書き留めるものだ。
絵を添えたり、イラストだけでメモを取ったりとする人もいるが、やはり全体としては「字」で構成されているものが多いだろう。
言葉でものを考えると言われている人間にとって、口語表現や曖昧さの残る論理を新たに文章に起こすことはある種、とても為になることであるのはわかる。

しかし、その曖昧さこそを私は大切にしたいのだ。
文字にしてしまったことで、不明確だった部分や、それこそ「ことばにできない」ことが消えてしまうことは私にとって何より悲しい。

だから私は「人間は言葉を使って考える」や「文章を読み書きすることは大切だ」と言う論調には基本的に反対の姿勢をとる。
とは言っても自分にとっても言葉というものはとても大切であるし、「不明確さ」を「明確」に表したいからこそ、丁寧に自分の気持ち、考えと表現の間に相違がないか確認しながら文字に起こす。

ただ、それは人にうまく伝わるかどうかということとはまた別の問題である。
たとえ嘘だって、表現次第で相手に信じ込ませることができることは言うまでもないだろう。

最近ではその「伝える」という部分を意識するようにしている。
自分の心の中を、絵を使って表現したり、手や頭の動きに流されない文章で表現したりすることは、これまでの試行錯誤によってある程度達成された。
これからはそれに加えて、人にもっと理解されやすいような伝え方を模索していくことで、次のステップに進んでいく。

それができれば、きっと自分の作品も言葉も、持っているもの全てがより輝いていくだろう。
成功者の多くは、伝えることが何よりうまい。

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